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「振り切れ!」。土居美咲、
世界ランク20位という目標達成のために (4ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro  五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro


 それが変わったのは2015年頃から。対戦相手が誰であっても勝利という目的のためにコートに立てるようになりました。昨年はウインブルドンでベスト16に初めて進出でき、リオデジャネイロ五輪にも出場できました。USオープンでは初めてグランドスラムでのシードを手にし、ランキングでも自己最高位の30位になりました。

 でも、満足できたシーズンだったかと言うと、もう少し頑張りたかったなと思っています。確かによい成績を残せた大会もあったけど、うまくいかない大会もあった。年間を通じて成績を残せるかがテニス選手の難しいところなので、そこが今後の課題でもありますが、自分にまだまだ成長の余地が残っているとわかったのは収穫にもなりましたね。

 経験という面から言えば、ウインブルドンで初めて2週目まで残れたのも大きかったですね。ほかの大会は開催期間がほぼ1週間ですが、グランドスラムだけは2週間の長丁場。疲労がどれほど残るかは経験しないことにはわからないこと。私は肉体的なもの以上に、メンタル的な疲労度がだいぶあるなと感じました。去年のウインブルドンは3回戦が雨で3度ほど中断したのですが、メンタルの切り替えがとても大変でした。ただ、こういった経験をできたことで、改めてトップ選手たちの精神的なタフさを知ることもできたし、次に活かせるなと思っています。

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