マラソン五ヶ谷宏司、未来の自分への言葉は「東京五輪へ死ぬ気で取り組め」 (2ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 ボリス・ベリアンのことはリオ五輪以前から知っていました。彼の描いたサクセス・ストーリーはなかなかないし、素晴らしいなって思います。アメリカには彼のような選手がたくさん埋もれていて、きっかけひとつで世界のトップに駆け上がっていく。日本の陸上界もそれくらい選手層が厚かったら、もっと活発になるのでしょうね。

僕が本格的に陸上を始めたのは高校から。中学まではサッカーをやっていたけれど、陸上部に駆り出されていたこともあって、高校で陸上部に入りました。それで専修大でも箱根駅伝に出場することを目標に陸上を続けました。

 箱根駅伝には大学1年から4年まで連続して出場できましたが、僕にとっての最初の転機は、大学1年のときに春の関東インカレの打ち上げで入ったお店で、たまたま今井正人さんに遭ったことですね。

 順天堂大4年で、箱根駅伝では5区で"山の神"として君臨していた今井さんと、強豪校でもない学校の1年生。普通に考えたら畏れ多くて喋りかけられないところですけど、当時は大学陸上界のスーパースターに遭遇して舞い上がっていたんでしょうね。図々しく話しかけ、メールアドレスのまで交換までしてもらい、しかも今井さんに、『5区で勝負してください!』と宣言して(苦笑)。

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