マラソン五ヶ谷宏司、未来の自分への言葉は「東京五輪へ死ぬ気で取り組め」 (6ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 ただやっぱり、無理をしたツケは大きかったですね。大腿骨の痛みをごまかして走っていたことが、他の箇所の故障を誘発したり、そのフラストレーションから血尿が出たりして、リオデジャネイロ五輪のマラソン代表選考レースだった2016年の東京マラソンでは、2時間21分05秒で40位と思い描いていた走りがまったくできず、情けない結果に終わりました。

 それもこれも2015年の夏に練習の質と量を上げたのに、体のケアはそれまで通りにしかやらなかったことで招いた結果なので、もっとケアの時間を増やして入念にやっていればと、悔やむ気持ちもあります。ただ、当初から目標にしてきた2019年、2020年ではなく、その4年前の2015年、2016年にこうした経験ができたことは、ここから東京オリンピックを目指していく上ではいい経験になったと割り切っています。

 今年の東京マラソンでは2時間13分52秒で22位と満足できる結果ではなかったけれど、体がようやく戻ってきた手応えをつかむことができ、これから僕が再びサブテンで走るための課題も手にできました。ニューバランスのシューズが足にフィットしていて、ストレスなく走ることを支えてくれているので、練習量もかなり積めるようになっています。

 次の目標は今秋の海外でのレースで、今は早くスタートラインに立ちたい気分です。どのレースに出るかは決まっていないですが、僕としてはニューヨーク・シティマラソン(NYC)に出たい。5万人のランナー、200万人の観客が集まり、今年からニューバランスがオフィシャルスポンサーをつとめる世界最大のマラソン大会で、もう一度原点に戻って走りたい。ただ、こればかりはチームのスケジュールとの兼ね合いもあるので実現できればいいです。

6 / 7

    厳選ピックアップ

    キーワード

    このページのトップに戻る