『ハイキュー‼』の名言をグラブに刺繍する西武・西川愛也 リハビリ期には「下を向いている暇はあるのか」と自身を鼓舞した (4ページ目)

  • 市川忍●文 text by Ichiawa Shinobu

【飛躍の兆しを見せる7年目での変化】

――語り合えるチームメイトができるといいですね(笑)。野球に話を移しますが、昨年から出場機会も増えてきているなかで、バッティングの変化をどう感じていますか?

「タイミングがしっかり取れるようになってから、ヒットが出るようになりました。相手投手は、同じ球種でもスピードを変えてきたり、急にテンポを速くしたり、2段モーションにしたりと変化をつけてくることが多い。それに対して立ち遅れせず、タイミングが取れるようになってきたと思います」

――近年はピッチャーの球速がアップしたり、変化球の種類も増えたりと進化しているように見えます。どうやって対応しているのでしょうか?

「まずは相手投手の動画をしっかりチェックして、しっかりクセを頭に入れて、頭の中で相手ピッチャーと対戦するイメージを思い描きます。その"打席に立つまでの準備"がすごく大事だと感じています」

――テンポを変えてくる相手に対しての対応策は?

「僕は大きくタイミングを取るタイプなんですが、『遅れないように』ということだけ意識をしています」

――昨年はなかなかヒットが出ずに苦しみましたが、今年は開幕早々にヒットが出ましたね。

「そうですね。今は『1日1本は当たり前に打つ』ぐらいのメンタルで試合に入れているので、いい状態だと思います。目標はより上で、1日2本以上ヒットを打つと設定しています」

――フォームなど、昨年から変えたところは?

「トップの高さなど、いろいろな部分を少しずつ変えています。シーズン中も微調整の繰り返しですね。今はタイミングが取れて、しっかり強いスイングができるフォームで試合に臨めていると思います。

 あとは、常に体重は気にかけています。今年はだいぶキープできるようになったんですが、昨年まではシーズン中に体重が落ちてしまっていたんです。食事やサプリメントなども気をつけて、バランスよく摂取するようにしています。でも、追い込み過ぎはよくないので、チートデーも作っていますけどね(笑)」

――6月12日の広島戦では、プロ初のお立ち台に。そこから見る景色はどうでしたか?

「プロに入ってから7年、ずっと立ちたいと思っていた場所でした。長くかかってしまったんですけど、やっぱり素晴らしい景色でしたね。ファンの方の声もしっかり聞こえました。ずっと温かく見守っていただいて、本当にありがたいです。ちょっと緊張しましたが、本当に楽しくて『また立ちたい』と思いました」

――チーム内での自分の役割は何だと思いますか?

「守備と走塁には自信があるんですが、今はとにかく、打つこと。そうじゃないと試合には出続けられない。もっと打撃面を伸ばしていきたいです。今は山村(崇嘉)など若い世代も頑張っているので、僕もそれに負けないようにしたいですね。お互い、高め合っていきたいです」

【プロフィール】
西川愛也(にしかわ・まなや)

1999年6月10日、大阪府出身。埼玉西武ライオンズ所属。右投左打。外野手。小学校2年で野球を始め、小学6年時にオリックスJr.入り。花咲徳栄高校では1年秋からベンチ入りし、2年春・夏、3年夏の甲子園に出場。高校通算31本塁打を記録した。2017年のドラフト2位で西武に入団。高校時代に負ったケガのリハビリなどを乗り越え、7年目の今季は出場機会がアップ。将来のレギュラー外野手として期待がかかる。

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【写真】西川の『ハイキュー‼』の言葉が刺繍されたグラブ

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