【ドラマ『ドラフトキング』鼎談】クロマツテツロウ×ムロツヨシ×宮沢氷魚が語り合う「プロ野球スカウト」の魅力と生き様 (3ページ目)
――ムロさんは「郷原」という特殊なスカウトを演じるうえで、大事にしていたのはどんな部分でしょうか?
ムロ 漫画ってもともとビジュアルがあるので、読者のみなさんの脳内でそれが再生されているわけじゃないですか。その漫画作品を映像化する時に、そことの戦いやプレッシャーもあるんですが、やりがいでもあります。ゼロから生み出してくださった方へのリスペクトを持ちながら、自分のオリジナルを出す。その割合はすごく考えました。ビジュアルをどれだけ寄せても、自分が本来持っている変えられない部分もあるので。その着地点をつけていく作業はとても楽しかったです。
――宮沢さんは新米スカウトで、郷原に翻弄される「神木」を演じられました。どんな部分を意識されたんでしょうか。
宮沢 神木はとにかく一生懸命で、1年目からドラフトにかかる選手を獲りたいという熱量が強いんですけど、強いがゆえに空回りして郷原にボロクソに言われるキャラクターです。でも、ボロクソに言われても負けじと前に進んでいく姿勢が僕はすごく好きです。その根底に「野球が大好きで、野球界に貢献したい」という思いがあるのを、原作を通して感じました。そのエネルギーを神木の役柄に持ち込みました。
元選手で新人スカウトの神木良輔を演じた宮沢氷魚さん――キャラクターを生み出したご本人であるクロマツ先生は、映像化されたキャラクターを見てどういう感想をお持ちですか?
クロマツ 僕は自分の作品のエゴサーチをするタイプなんですけど、「なんでこの漫画のキャラクターはこんなに口が悪いんだ」とすごく書かれていたんです。ドラマを見て、あらためて「めちゃくちゃ口が悪いな」と感じましたね(笑)。
ムロ 「裏金持ってこい!」なんて、まっとうに生きてる人なら使わない言葉ですよね(笑)。もちろん、ちゃんと見てもらえればわかるんですけど、すごく正しいことを言ってるんですよ? でも、これだけ口の悪い役をやれるのはやりがいがありますよ。
――最後の質問です。「ドラフトキング」の世界のように、お三方が「この人に発掘された」と感じる恩人を教えてください。
ムロ 僕は本広克行監督と福田雄一監督ですね。他にもプロデューサーの方とか、いろんな方にお世話になりましたが、やっぱりそのお2人が大きな転機になっているので。お2人に出会えていなかったら、今はないと思います。
宮沢 僕は野球を始めるきっかけになったのが、今ベイスターズの監督をされている三浦大輔さんのピッチングを見て「面白い」と思ったからなんです。当時2段モーションで「こんな面白いピッチャーがいるんだ」と思って。初めてお会いしたのは5年前なんですけど、僕を野球の世界に連れてきてくれた恩人だと思っています。
クロマツ 僕は高校の美術の先生ですね。高校時代は野球部だったんですけど、美術の授業の時間に描いた作品を勝手にコンクールに出してくれて(笑)。
ムロ えっ、勝手に?(笑)
クロマツ それが賞を獲れて、野球が終わってから「美術部に入らないか?」と言われたんです。それで芸術系の大学に行ったほうがいいとアドバイスをいただいて、今につながっているので。野球部の恩師ではないというのが申し訳ないんですけど(笑)。
一同 (爆笑)
――今日はありがとうございました。『ドラフトキング』のドラマも漫画もを楽しみにしています!
『ドラフトキング』がWOWOWでドラマ化
グランドジャンプ(集英社)にて大人気連載中の『ドラフトキング』がWOWOWのオリジナルドラマとして4月8日より放送をスタートする。(全10話)
ムロツヨシを始めとする豪華キャスト陣を揃え、「プロ球団のスカウトマン」を主人公とした人間ドラマを描く。
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