文武両道を地で行くトップダンサーTAKUMI。早稲田大で法学を学びつつDリーグで活躍する超多忙な日々を語る (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 津島直道●撮影 photo by Tsushima Naomichi

――本当に忙しい毎日ですが、どのように時間をやりくりして勉強していたんですか。

 大学の課題は、すべて移動時間、電車の中でできるだけ終わらせるようにしていました。電車に乗った時には、必ず課題をやると決めていて、チームメイトも電車に乗った時には、気を遣ってあまり話しかけないようにしてくれました。

――法学部ではどのようなことを学びましたか。

 経済の法律、憲法、刑法、民法とか、法律全般を学びました。とくに興味深かったのが社会問題についてです。法学部に入るまでは、法学は暗記に近い科目なのかなと思っていたんですけど、まったく違っていました。たとえば雇用差別やジェンダー差別などの社会問題が起こった時に、それについて法的にどうアプローチするかを考える内容が多かったです。国際法も勉強して、日本の法律はどうあるべきかと考えるのが、すごく面白かったですね。

――法学は難しい学問のひとつで理解するのに相当な時間がかかるかと思います。そんななかでもDリーグでは、2週間で1作品を作るというタイトな日程もありました。休みはあったのでしょうか。

 ファーストシーズンはなかったかもしれませんね。それがよくなかったなと思っています。だからセカンドシーズン、サードシーズンでは、意識的に、休みをちゃんと作れています。追い詰めることが美学という考え方もありますが、僕は決してそうではないと思います。休養も成長のひとつで、それは自分のなかでとても大切にしていますね。

後編に続く>>「震災がきっかけでダンスの道へ。プロダンサーTAKUMIが飛躍的に学業の成績を伸ばせた理由」 

【Profile】
TAKUMI(桑原巧光)
2000年5月19日生まれ、福島県出身。小学4年からダンスを始め、中学2年の時に日本最大のストリートダンスバトルイベント「ダンスアライブ」のキッズ部門で優勝、高校では全国高校生ダンスバトル選手権で2連覇を達成するなど、数々の実績を残す。16歳の時にはニューヨークのアポロシアターで開催されたアマチュアナイトで月間満点優勝を飾るなど、海外でも注目を集める。早稲田大学法学部に進学し、2年時よりDリーグのCyberAgent Legitにリーダーとして参加する。

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