確立されたトレーニングは「全部無視」。横川尚隆は自己流5年でボディビルの日本一になった (2ページ目)

  • 石塚隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 會田園●撮影 photo by Aida Sono

――なかなかアウトな話ですね(笑)。そのあとはボディビルの世界へ。

「体を動かすのは好きでしたし、『刃牙』の世界にも影響を受けていたので、ああいう筋肉隆々の姿になりたいなって思って始めました」

――最初は筋量の多さよりも、肉体のシェイプやバランス、美しさを競う種目のフィジークから始めたそうですね。2014年の『ベストフィジークジャパン』で2位になっています。

「はい。ただその時は、筋トレとかを特にやっていたわけじゃなく、格闘技時代のナチュラルな身体で出場して上位に入れたんです」

――おおっ、それなりの素地はあったわけですね。その後、筋量が圧倒的に多く、トレーニングも過酷なボディビルダーになっていくわけですが、自然な流れだったんですか?

「そうですね。単純に筋肉と言えばボディビルじゃないですか。身体には自信があったし、やるとなれば僕より筋肉の大きな人がいるのが気に食わなかった。単純にそれだけなんです」

――負けず嫌いなんですか?

「はい。『俺が一番じゃないと気が済まない』みたいな感じです」

――2019年の『JBBF 日本ボディビル選手権』で優勝して日本の頂点に立ちました。

「ボディビルを20歳から本格的に始めてトップになるまで5年ぐらいかかったんですけど、本当はもっと早く優勝したかったんですよね」

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