櫻坂46菅井友香「あの時があったから、今は大丈夫」。「悔しくて布団のなかで泣いた」日々がアイドル活動に生きる (6ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

ーーまさに馬力といいますか、そのような精神がグループを引っ張る原動力になっているように思えます。 

菅井 そうかもしれませんね。これまで馬という言葉の通じない相手と向き合い続けて、気持ちを考えて行動できるようになったり、試合という緊張感が張り巡らされた空間でのメンタルコントロールだったり。そういった経験は、メンバーやスタッフの方とのコミュニケーションや、ライブという大舞台でのパフォーマンスにすべてつながっているんじゃないかと思います。 

 それにパフォーマンスという点で言うと、馬場馬術も人に見せる競技。周りの人たちに対して、いかに美しく魅せるかという部分は、ジャンルこそ違えど歌やダンスと重なります。馬術は自分の身なりだけじゃなく、馬もきれいにツヤツヤにしますし、馬に乗って入ったところから最後の出て行く瞬間まで美しく見せなくてはなりません。ライブでも、ファンの方々の前に顔を出す瞬間、ステージ上でのパフォーマンス、そして舞台裏に出て行く時の後ろ姿まで周りから見られている。そう意識して行動しているんです。 

ーー最後に、これから馬術に挑戦してみたい人に向けてメッセージをお願いします。 

菅井 馬と触れ合うことでリラックスできたり、逆に刺激を得たりと、ふだんでは体験できない特別感や、実際に乗らないとわからない感動があります。加えて馬には、「ホースセラピー」という精神機能と運動機能を向上させるほどの癒し効果があるんです。大学の馬術部時代には、部員と一緒に地域の子どもたちや障がいを持った方を招いて乗馬体験をしてもらう企画を行ないました。馬から元気をもらって笑顔になる姿が印象的でした。私自身も毎日、馬からいっぱい力をもらっていましたし、馬の力って本当にすごいんです。 

 なので、少しでも興味を持っていたら近くの乗馬クラブにぜひ足を運んでみてください。体にとっても、心にとってもすごくいいことだと思いますよ。ぜひ、馬を信じて、たくさんの方に楽しんでほしいです。 

(終わり) 

【profile】 
菅井友香 すがい・ゆうか 
1995年11月29日、東京都生まれ。小学5年生の時に友人に誘われ乗馬を始める。中学1年生から馬場馬術に本格的に取り組み、2011年の全日本ジュニア馬場馬術大会チルドレンライダー選手権で2位、2013年の東京都馬術大会M1課目で優勝するなど大会で好成績を残す。2015年に欅坂46第1回オーディションに合格し、アイドル活動をスタート。2020年10月に欅坂46が櫻坂46に改名。現在までキャプテンを務める。

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