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佐藤晴美が語るダンスの原点、E-gilrsメンバーとの絆。「仕事仲間では割り切れない。だからこそ、ぶつかることもあった」 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

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 人生を語るように踊る佐藤さんのパフォーマンスには、その時々の現在地が楔のように打ち込まれ、語るべき相手がいる時、最大の光を放つ。

 だからこそライブが、表現者・佐藤晴美の本質が輝く舞台であるのは必然だ。FlowerやE-girlsとして活動した日々を振り返った時、最もビビッドに思い出されるのも、ライブのステージだという。

「E-girlsをやっていて、何が一番嬉しかったとか印象に残っているかと言ったら、さいたまスーパーアリーナのステージから見た光景です。満員の客席に金色のテープがバーッと広がっていくあの景色は、もう味わうことはないだろうし......うん、あれは、わたしの財産です。目に焼きついてます、あの瞬間が一番」

 E-girlsのリーダーであることも、仲間たちとリアルタイムで作品を生み出す"ライブ"というスタイルに、強い思い入れを抱く理由のひとつかもしれない。

 同じ時間と空間を共有してきたメンバーたち、そして"リーダー"という役割について、佐藤さんは抱える想いを包み隠さず明かした。

「最初は、リーダーだからみんなを引っ張っていかなくちゃって、空回りしていたところもあったと思います。でも、人を頼る強さを知った時に、わたしのなかのリーダー論が大きく変わりました。仲間に甘えてみんなでやった時の達成感は、自分のなかの枠を越えたというか、大きな一歩だった気がします。頼るのってけっこう勇気がいることなので、それができたことで大きな自信が生まれたし、だからこそみんなのことをもっと好きになれた気がするんです」

 佐藤さんに「人に頼る強さを教えてくれた」というメンバーたち。その存在を、「ひとことで表現すると?」と尋ねた時、返ってきた答えは実に趣き深いものだった。

「ひとことで言うと......本当に『戦友』って感じです。友だちでもない、仕事相手と割り切れる仲でもない。プライベートで、一緒に遊ぶという感じではない。

 でも、同じ作品を同じ呼吸で表現している仲間だし、そこには目に見えない、つながっている何かが絶対にある。だから、『仕事仲間』のひとことでは絶対に割り切れない。割り切れないからこそ、ぶつかることもあるんですが、それを隠しはしない。『いろいろあるけどさ、がんばろうよ』って。

 戦友という言葉が正しいのかどうかわからないですが、この世の中にある言葉では、戦友が一番ぴったりくると思います」

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