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佐藤晴美が語るダンスの原点、E-gilrsメンバーとの絆。「仕事仲間では割り切れない。だからこそ、ぶつかることもあった」 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

 オーディションのわずか数か月後に撮影されたミュージックビデオは、「今でもよく見返す」というほどに、忘れがたい作品となる。

 デビュー曲『Still』は、終わった恋への未練と追憶を歌う、15〜16歳の少女たちには少し背伸びした楽曲。ミュージックビデオは、哀切なメロディラインに乗せメンバーひとりひとりの表情がアップになる、Flowerのお披露目的な仕上がりにもなっていた。
 
 このデビュー曲を起点として、「人生を語るように踊る」旅も本格化する。佐藤さんが「思い出の曲」として振り返る作品も、彼女の人生観や成長の足跡と同調するものだ。

「E-girls時代の曲は、『DANCE WITH ME NOW!』が過去イチ踊った曲だったので、思い出深いです。『Love ☆ Queen』や『Highschool ♡ Love』も、E-girlsが一番キラキラしていた時だったので、今見ても、うわー、みんないい表情しているなーって思って。

 でも、ダンスで一番好きなのは、Flowerの『Blue Sky Blue』という曲なんです。すごく、ミュージックビデオと曲の世界観が合っていて、ハッピーなんですが少し切なくて、儚くて、優しくて......いつ見ても、すっと入ってくる曲です。

 ひとりひとりに可愛いいシーンがあるのも好きだし、踊りもそこまで踊ってはいないんですが、ひとつひとつの振りに、その時の振付師の先生の想いがすごく乗っているんです。先生は、この振りでわたしたちをこういうふうに見せたかったんだなとか、こういうふうに輝いてほしかったんだなとか。

 すごく考えられたミュージックビデオですし、その時のFlowerに対する各所からのエネルギーが感じられる曲で、すごく好き」

 遠距離恋愛をテーマにした『Blue Sky Blue』のミュージックビデオは、遠くの恋人を想う歌詞と映像が共鳴し、強くも儚い世界観が立体的に描きだされる。

 デビューから3年半が経ち、ダンサーとしての自我を確立しつつあった当時の佐藤さんにとっても、独自の表現を模索していた時分。だからこそ思い入れが強く、彼女の成長が塗りこめられた作品でもあるのだろう。

「当時は、自分なりの表現をしたいという想いが、多少なりともあったんです、こんなわたしにも(笑)。なので『こういうふうに踊って』とか、『音と動きがずれてる』って言われても、『ちょっと遅れてるほうがよくない?』って、ちょっとした反発心みたいなのがあって。

 でも今見ると、すごい振り付けだし、わたしが考えられるかと言ったら無理。FlowerもE-girlsもずっと見てくださった振付師の方が『Blue Sky Blue』のダンスも作ってくださったんです。踊りすぎてもよくないんだよとか、見ている方も踊りが多すぎると引いてしまうのかなとか、そのあたりのバランスのとり方が天才的な方で。その感覚は本当にプロだし職人だなと、今になってあらためて尊敬します」

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