サッカーの質で初戦完勝のクロアチア。ユーロのダークホースに名乗り

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 原悦生●写真 photo by Hara Etsuo

決勝点となるボレーシュートを決めたモドリッチ(クロアチア)決勝点となるボレーシュートを決めたモドリッチ(クロアチア) トルコとクロアチア。ともにW杯の最高順位は3位だ。ダークホースの願いを成就させた経験を持つ。トルコは2002年、クロアチアはその前の98年に、それぞれその座に上り詰めている。

 直接対決では8年前の戦いを思い出す。ウィーンのエルンスト・ハッペルで行なわれたユーロ2008準々決勝。試合は延長PKかと思われた117分、クロアチアに待望の先制ゴールが生まれる。勝利の女神はしかしクロアチアの頭上に微笑まなかった。トルコに同点ゴールが訪れたのは122分。延長後半のロスタイムに1‐1にするとその余勢を駆ってPK戦を制し、準決勝へ進出した。トルコはその準決勝でもドイツ相手に名勝負を演じ、ミラクルトルコとして、優勝したスペインと同じぐらい存在感を際立たすことになった。

 8年後、トルコは再び旋風を巻き起こすことができるのか。一方、クロアチアがトルコを叩くことになれば、復讐劇を遂行したことになり、勢いづくことは必至。この試合は大会前からグループリーグの好カードの一つに数えられていた。

 ブックメーカーの予想で上回っていたのはクロアチア。フランス、ドイツ、スペインを第1グループ。ベルギー、イングランドを2番手グループとすれば、その次の3番手グループに位置していた。対するトルコはその次の4番手。

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