タラゴナ鈴木大輔、1部昇格ならずも「ファンが残れと言ってくれた」
プレーオフでサラゴサに敗れ、1部昇格を逃したタラゴナの鈴木大輔 後半に2失点目を喫すると、チームの中で気持ちをつなぐ糸がぷつりと切れた気がした。2試合合計で上回るためには4点が必要になってしまった。逆転はもはや現実的ではない。その流れで3失点目を喫したとき、彼は不思議と体が熱くなるのを覚えた。
「行くぞ! 行くぞ!」
落胆するチームメイトたちを鼓舞する。
<これだけの舞台、まだ時間が残っている。自分は試合の中でも成長できる。最後までやり抜こう。この場を味わい尽くすんだ>
胸中に渦巻く思いをぶつけるように檄を飛ばし続けると、チームはどうにか1点を返した。それは無為なゴールにも、何かその先に意味があるもののようにも映った。
6月11日、鈴木大輔はヒムナスティック・タラゴナ(通称ナスティック)の主力メンバーとして、1部昇格プレーオフを戦っている。3位でリーグ戦を終えたナスティックは6位のオサスナと対戦。3日前にオサスナで行なわれた第1戦では3-1と敗れていた。アウェーゴールで希望をつないだものの、2-0の勝利か、3点差以上の勝利が必要な状況だった。
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