ブンデス開幕。新天地HSVで再生を期す酒井高徳インタビュー

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ひと口に「新天地を求めて移籍する」といっても、その理由は様々だ。望み、望まれてということもあるし、やむを得ない場合もあるだろう。今季、シュツットガルトからハンブルガー(HSV)へと移籍した酒井高徳のテーマは「再生」だ。

ハンブルガーに移籍してブンデスリーガの開幕を迎える酒井高徳ハンブルガーに移籍してブンデスリーガの開幕を迎える酒井高徳 シュツットガルトでプレイした昨季は苦難に満ちていた。第25節レバークーゼン戦で失点に絡むと、その後の9試合で一度も出場機会が与えられなかった。一方、HSVにはシーズン終盤、ラバディアが監督に就任していた。2012年1月、酒井がシュツットガルトに入団した当時の監督で、多くのチャンスを与えてくれた人物だ。その彼が率いるHSVに請われての移籍だった。当の本人は、それ以上に強い思いでこの移籍を決断していた。

――まず、移籍の経緯から聞かせてください。

「シュツットガルトで契約もあと1年あったし、今季から新しい監督が来て、チャンスがないわけじゃなかった。でもこれまで、自分がどういう役割でどういうプレイをしたらいいのかなということを考えてサッカーをしてたけど、どんな風にしても良いパフォーマンスにつながらないという思いがあった。それで思ったのは、仮にシュツットガルトに残っていいことがあったとしても、逆に移籍して悪いことがあったとしても、環境を変えるべきかな、ということ。新しい自分を探したい、違うチームに行ってどこまで自分ができるかを見たい。もちろん試合に出たいということを考えての移籍でしたが、環境をまるっきり変えたかったのが一番の理由です」

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