今週末がラストチャンス!?大物OBが語る「本田のミラン寿命」

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 ミランは第23節にホームでエンポリと1-1で引き分けた後、続く第24節で19位チェゼーナに2-0で勝利した。しかし、第25節で16位キエーボを相手にホームで0-0の引き分け。エンポリ戦同様内容で圧倒され、再び醜態をさらすことになり、チームには容赦のない批判が向けられている。

 第17節以降、つまり2015年に入ってからの戦績に限って順位を算出すれば、ミランはキエーボ、サッスオーロと並んで14位(第25節終了時点/9試合での獲得勝ち点は9)。17位のアタランタ、カリアリとの差はわずかに勝ち点1。これはミランが"降格圏"の一角を占めていることを意味する。

 メネズ、本田、デ・ヨングらを擁し、今年1月の移籍市場でも相応の選手を複数獲得。超一流とまではいえなくとも、一定のレベルにある選手をそろえながら、なぜミランはここまで弱くなったのか。

次節ヴェローナ戦で先発が予想されている本田圭佑 photo by Getty Images次節ヴェローナ戦で先発が予想されている本田圭佑 photo by Getty Images
 元ミランのFWダニエレ・マッサーロ(1986-88、1989-95に在籍)は、「選手一人ひとりの技術的な水準、チームの総合力は、苦境に陥った最大の要因ではない」としたうえで次のように語っている。
 
「端的に言えば、今のミランはプロサッカークラブとしての体をなしていない。組織を構成する主要な"柱"が何本か抜き取られた。つまり"頭脳の流出"だ。まず、ガッリアーニ(ミラン技術部門の最高責任者。スポーツ・ディレクター=SD)の右腕として選手スカウト網を司(つかさど)り、30年間ミランの屋台骨を支えてきたアレイド・ブライダがその任を解かれた。では、彼が今どこで何をしているかといえば、スペインのバルセロナでSDを務めている。

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