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金メダル獲得へ大橋悠依に平井コーチが授けていた作戦。リオ五輪金の萩野公介の泳ぎから伝えていたこと (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 その感覚のよさを初日の予選で確認できたことで、メダル獲得への自信も沸きあがってきたのだ。

「本当に自分は全然ポジティブじゃないし、自分が金メダルを獲るなんて思ってなかったので、うれしい気持ちと不思議な気持ちといっぱいです。すごいダメダメな時期もあって、暗くなっちゃって一人でいる時期もあったんですけど、周りの先生やチームメイトが声をかけ続けてくれました。みんなのおかげで獲れたメダルだなって正直思います。東御合宿からは『本当に大丈夫かな?』と思いながら帰ってきたけど、昨日のレースが始まってからは、『もう、あとはやるしかない』と思えました。自分でもこんなに落ちついたレースができたことに、すごくびっくりしています」

 決勝後のミックスゾーンで記者に囲まれている時でも、以前のつらかった時期を思い出して、言葉を詰まらせながら涙を流していた大橋。彼女に、「これで2個目の金も狙う気になりましたか」と問いかけると、「アハハハ!」という笑い声が返ってきた。

 今夜、予選が行なわれる200m個人メドレーにも、大橋は自信を持って臨んでくれるだろう。

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