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飛込界の至宝は13歳。「玉井陸斗は次元が違う」と元五輪選手も絶賛 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao、AFLO


 ただ、これから成長期に入っていく時に、どこまで自分をコントロールできるか、また、それに伴った筋力を強化できるかで変わってくると思います。そのあたりについては、馬淵コーチが指導しているので大丈夫かと思いますが、あとはケガにも注意しなくてはいけないです。高さ10mのプラットホームから飛び込む高飛込は、入水時の衝撃が大きく絶対にケガをしないということはありえません。そのリスクをどこまで抑えられるか、万が一ケガをしてもうまく付き合っていけるかが、今後、彼にとって重要になると思います。

 現時点での彼のベストは498点台ですが、昨年の世界選手権では3位が541.05点だったように500点を大きく超えなければ、世界大会での表彰台は無理です。彼はまだ不安定な部分もあるので、まだまだこれからです。

 2月の派遣選手選考会では、レベルを落とした207C(後宙返り3回半抱え型)で失敗していましたが、ワールドカップでは昨年の日本選手権でやっていた207B(後宙返り3回半エビ型)に変えてくるのか、207Cのままで完成度を上げてくるのかはわかりませんが、世界で戦うためには難易率が0.3点高い207Bにするしかないと思います。

 選考会での207Cの失敗は回りすぎでした。元々彼の場合は後ろ入水(※1)の種目を少し苦手にしている面があり、抱え型(※2)の場合は入水に備えて体を伸ばす位置がたくさんあるので、それが失敗につながったのかなとも思います。そこがうまくコントロールできればいいですが、エビ型(※3)にしたほうが安定するのではないかなとも思います。
※1 後宙返りで、背中をプール側に向けた状態で入水すること/※2 ヒザを曲げて両手で抱える形/※3 ヒザを伸ばして上体を前に倒す形

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