松田丈志から日本競泳陣へ。
「東京五輪で大歓声を浴びるのは君たちだ」

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi photo by Kyodo News

世界水泳短期集中連載・「キャプテン」松田丈志の目線(7)

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 競泳最終日、日本は2つのメダルを獲得した。

 男子400m個人メドレーでは瀬戸大也が4分09秒14 で3位、萩野公介は4分12秒65で6位だった。この種目、瀬戸は世界水泳2連覇中、萩野はリオ五輪のチャンピオンだったが、優勝したのはいずれの大会でも彼らに負けたアメリカのチェイス・カリシュだった。

 自己ベストを更新する4分05秒90の大会新記録。このタイムは瀬戸、萩野のベストタイムも上回る。カリシュにとっては念願のこの種目の金メダルだ。

 カリシュは5日目の200m個人メドレーでも日本の2人を破って優勝している。彼は本来400mを得意とする選手なので、厳しい戦いが予想されたが、その現実を突きつけられる結果となった。

 バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→クロール(自由形)と泳いでいく個人メドレーの中で、カリシュはとにかく平泳ぎが驚異的に速い。だから日本の2人が勝つには、背泳ぎまでにリードを奪っておくしかなかったが、200mのターンでカリシュに先を行かれており、この時点で優勝は厳しい状況になった。

 そこから瀬戸は目標をメダル獲得に切り替え、平泳ぎを余裕を持って泳ぎ、最後の自由形の残り25m付近からスパート。3連覇はならなかったが、イギリスのマックス・リッチフィールドをかわして、何とか3位に食い込み銅メダル獲得。この種目3大会連続のメダル獲得となった。

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