2017.07.26

松田丈志が解説。大橋悠依が
自己記録を2秒も縮めたストロークの反復

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi 新華社/アフロ●写真

世界水泳短期集中連載・「キャプテン」松田丈志の目線(3)

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 競泳日本チームに待望のメダル第1号が大きなサプライズとともにもたらされた。

 世界水泳競泳2日目、この日最後の種目となった女子200m個人メドレー決勝。大橋悠依が4月に出した自己ベストをさらに2秒以上更新する2分07秒91で銀メダルを獲得した。準決勝はギリギリ8番での通過。そのレース後のコメントで、本人はまだ余力はあると話してはいたが正直、一番端っこのコースからの銀メダル獲得は想像できなかった。

世界水泳で銀メダル獲得の大橋悠依は満面の笑顔

 会場は地元の英雄、カティンカ・ホッスー(ハンガリー)の今大会初の金メダルを期待するファンで超満員となり、レースは大歓声のなか、行なわれた。決勝前は緊張していたという大橋だが、自分が端っこのコースで、しかも会場の大声援はセンターコースを泳ぐ地元の英雄に送られているということで、かえって冷静になれて「自分の泳ぎに集中できた」という。

 レースは予想通りホッスーが先行する展開。しかし、大橋も8コースからバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎとこなし、自身の自己ベストを上回るラップを刻んでいく。3種目を終えた150mの時点で自身の準決勝のタイムを1秒24秒も上回っていた。そして、圧巻はラストの自由形だ。準決勝のラップタイムから1秒30秒も縮めるタイムでフィニッシュ。このラスト50mのラップタイムは優勝したホッスーのラップをも上回る記録だ。

 このレベルの選手が200mのレースでいきなり2秒も自己ベストを更新するのは驚きだった。本人は準決勝のレースでも最後の自由形以外は、そこそこ力を出していたと言っていた。そこから2秒も上げてきた。これは日本選手権の時も感じたことだが、大橋はいざアクセルを踏んだ時の上げ幅が非常に大きい。持ち味であるゆったりとした伸びのある軽い泳ぎに、少しずつパワーがついてきて、アクセルを踏んだ時のスピード感が大幅に上がってきている。