3連覇の偉業をステップに。競泳・瀬戸大也は4年サイクルで成長する (4ページ目)
そして、迎えたリオデジャネイロ五輪本番。初日に行なわれる400m個人メドレーは、日本代表のスタートダッシュが決まるかどうか、チームの流れを左右する重要なポジションにあった。
ライバルの萩野は絶好調。瀬戸も予選で自己ベストを更新する4分08秒47をマークするほど好調だった。ところが、決勝になると、いつもの瀬戸らしい水面を飛び跳ねるようなキレのある泳ぎが鳴りを潜め、重りを引きずっているような雰囲気でレースが進む。結果、予選から記録を落とす4分09秒71の3位フィニッシュ。はじめての五輪で銅メダルを獲得したが、レース後に瀬戸は「疲れちゃいました」と苦笑いを浮かべた。
「力を出し切れなくて、素直に悔しい。自分はまだまだ甘いということを教えられました」
このとき、すでに瀬戸の目は4年後の東京に向けられていた。今の自分に必要なのは、世界の舞台で"狙って"結果を残す強さを身につけること。決めたらすぐに行動に移すのも瀬戸らしさだ。五輪後からオフをとることなく、FINAワールドカップに自費参戦。五輪でのリベンジに動き始めた。
9月、10月とワールドカップを6試合戦い抜き、さらに11月のアジア水泳選手権にも出場。そして、12月6日から開幕したカナダ・ウィンザーでの第13回世界短水路選手権に乗り込んだ。
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