ケガから復活の萩野公介。リオ五輪のメダルがハッキリ見えた

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 競泳日本選手権6日目の4月9日、日本のエース・萩野公介はやっと納得の表情を見せた。この日は萩野の出場種目最後のレース、200m個人メドレー決勝が行なわれた。

 最初から最後まで独泳でリオ五輪出場を決めた萩野公介 最初から最後まで独泳でリオ五輪出場を決めた萩野公介 最初のバタフライは5m通過が24秒43で、自身の持つ日本記録より0秒46も速いタイム。そこで完全に抜け出して独泳にすると、背泳ぎを終えた100m通過は日本記録とのラップ差を0秒75にまで広げる52秒86。そして後半も初日の400m個人メドレーのように落ち込むことなく泳ぎ切り、後ろで瀬戸大也と藤森太将が熾烈な代表争いをしているのを尻目に大差をつける1分55秒07でゴール。それまでの日本記録を0秒26更新し、リレーを含めて4種目目の五輪代表を決めた。

「レース中は自分のタイムに期待しつつ、楽しみながら久しぶりにいい感覚で泳げました。最後の自由形のラスト10mでストロークが小さくなったり、キックの入りも悪くなって少し泳ぎが詰まってしまったのが54秒台に入れなかった要因だと思いますが、1分54秒台中盤(世界記録は1分54秒00)くらいは見えるレースができたので良かったと思います」

 こう話す萩野は前半の100m通過が52秒86だったことを、「あのタイムは200m個人メドレーの通過じゃないですよ。普通に考えたら200m自由形の通過タイムですね」と言って自画自賛する。

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