【水泳】北島康介が復帰。「チーム平井」が生み出す競泳界の新たな波

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

ロンドン五輪で選手たちと記念撮影をする平井伯昌(のりまさ)コーチ。写真左から加藤ゆか、平井コーチ、上田春佳、寺川綾、北島康介ロンドン五輪で選手たちと記念撮影をする平井伯昌(のりまさ)コーチ。写真左から加藤ゆか、平井コーチ、上田春佳、寺川綾、北島康介 今年7月にバルセロナで開催される世界水泳選手権の代表選手選考会も兼ねている水泳の日本選手権が4月11日から開幕する。

 この大会で世界水泳の代表入りが有力視されている選手たちが、ロンドン五輪で競泳日本代表チームのヘッドコーチを務めた平井伯昌(のりまさ)の下に、続々と集まっている。

 平井は代表コーチの続投が決まっており、さらに今年4月からは東洋大の准教授に就任し水泳部のコーチとなった。その東洋大水泳部には、彼の指導を受けるためにロンドン五輪銅メダリスト(400m個人メドレー)の萩野公介や200m平泳ぎ世界記録保持者の山口観弘(あきひろ)が入学した。

 同時に平井は、寺川綾や加藤ゆか、上田春佳の指導も継続する。さらに北島康介がアメリカから帰国して再び平井の指導を受けることになり、北京・ロンドンと連続で銅メダル獲得(200mバタフライ)の松田丈志も加入する盛況ぶり。

 トップ選手が集合することになる「チーム平井」は日本競泳界の一大勢力になる。そんな状況を平井は、笑顔を見せながらこう説明する。

「北京五輪の出場選手の平均年齢が22歳オーバーで、大学で完結(引退)するトップ選手が少なくなってきていた。そのころから、卒業後も選手が競技を続けられる方法を考えていかなければと思っていたんです。東洋大の教員になるので、大学生中心でやるのはもちろんだけど、東京SC(東京スイミングセンター)の選手も施設を使わせてもらえるように大学にお願いしたんです。

 思いのほか、自分が担当していた選手がやめなかったうえに、松田が来たり康介が戻って来たりして、たまたま選手が揃ったという形ですね。でも、特に(4月入学の)ゴールデンエイジの選手に対して、北島や寺川、松田などのメダリストが、どういう姿をトレーニングや試合で見せるかも大きなカギになるでしょう。今後の競泳界を担っていく若手が、先輩から何を感じ取ってくれるか楽しみです」

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