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【マラソン】高校時代はサッカー部、陸上初心者の大石巧は箱根駅伝常連校に自ら電話をかけて売り込み (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

【高校までサッカー部なの? そんなのアリ?】

 大石は、まず陸上部の顧問の先生に「どうしたら大学で箱根を走れますか?」と聞いた。「とりあえず記録会に1回出て、タイムを出してから大学に相談したほうがいい」と言われ、高3の11月、初めて5000mに出場。記録は1532秒だった。

「直前に陸上部で1、2週間ほど練習したんですが、陸上経験ゼロ、知識もないので、このタイムが速いのか、遅いのか、まるでわかりませんでした。陸上部の顧問の先生はちょっと驚いていましたけど、箱根駅伝に出るような大学に入るには、少なくとも14分台で走っていないと難しい。そもそも、その時期には推薦が終わっていると知りました。また、ウチの陸上部は強くなかったので、大学の陸上部とはつながりもなく......。

 仕方ないので、飛び込み営業みたいに、自分からいろいろな大学の入試課に電話をかけました(笑)」

 サッカー部出身という異色の経歴を押し出したが、「変なヤツが電話をかけてきたなという感じでした(笑)」と塩対応され、「ウチは推薦じゃなければダメなんです」と断られ続けた。

 だが、1校だけ、電話に出た担当者がたまたま陸上競技に詳しく、「サッカー部でそれだけ走れるのは、ちょっと面白い。監督に連絡を取ってみます」と言ってくれた。その5分後に折り返しの電話がかかってきた。

「それが、城西大の櫛部(静二)監督でした。めちゃくちゃうれしかったですね。最初はスポーツ関連の学部がある大学がいいなとか、のんきに考えていたのですが(笑)、わがまま言っている場合じゃなくなっていました。そんな時、櫛部監督だけが『面白そうだから1回練習においで』と声をかけてくださったんです。

 大学に行くと、『1000mを3本、キロ3分で走れる?』と聞かれました。その時の僕はランニングウェアを持っていないので、ロンTとハーフパンツを着ていたのですが、櫛部監督は『それで走るの? 新鮮だね』と笑っていましたね(笑)。ただ、指示通りに1000mを3分で走ることができたので、『採る方向で考える』と言ってくださり、ホッとしたのを覚えています」

 晴れて城西大陸上部に入部すると、同期には「高校までサッカー部なの? そんなのアリ?」と驚かれた。ある先輩からは「サッカー部でも入れるのか」と怪訝な顔で言われたが、「これから頑張ります」と静かにファイティングポーズを取った。

「陸上のことは何もわからないですし、レース経験もタイムもない。これから大きな壁にぶつかるんだろうなと思っていました。でも、練習をやると、意外とみんなについていけた。1年目の目標は5000m14分台を出すことだったんですけど、入学2週間後には達成してしまって......あれは自分でもビックリしました(笑)」

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