【箱根駅伝2026】箱根に向けて駒澤大は現在地を再確認 全日本大学駅伝優勝が箱根への意欲を高める追い風に (2ページ目)
【戻ってきたエース】
佐藤と山川は、ともに区間3位と本人たちにすれば悔しい結果となったが、箱根に向けてはいい実戦経験になったとも言える。特に佐藤は、6月の合宿で恥骨を疲労骨折して「同じ箇所の故障は3回目だから、根本的な原因をしっかり突き止めて治そうとリハビリに専念した」と2カ月間走らずにしっかりと休んだ。違和感がなくなって本格的なジョグを始められたのは9月中旬からで、ポイント練習や距離走ができるようになったのは10月に入ってからだった。
そんな状態でも佐藤は自ら「前半のハイペースの区間より、7区に置いてもらったほうが自分としてはチームに貢献できると思う」と藤田監督に申し出たという。
「本来の走りができていれば、区間新で走った黒田朝日くん(青学大)とも区間賞争いをしていたと思います。スピードを求められる前半の区間だと、やはり無理をして故障の再発もありえるので、そこを考慮したところはありましたが、ある程度走れることを確認できたことで、これから箱根駅伝に向けては順調にいくんじゃないかなと思います」
こう話す藤田監督は、8区の山川についても「優勝しなければいけないというプレッシャーのなかで走っていると、なかなか突っ込む走りはできなくなる。その難しさのなかで、なんとか踏みとどまって(走りきってくれた)優勝でした。キャプテンとしての重圧もあったと思います」と話す。
山川は自身の走りをこう反省する。
「56分台の日本人最高記録を出すというのを目標にしていたので、それを達成できなかったのは悔しいです。あのタイム差でもひっくり返されることはあるので油断できない状態だと感じていました。前半は少し抑えて、最後の上り坂でタイムを稼ぐのを狙っていましたが、なかなかうまく走ることができなくて......。追われる展開に慣れていないというのもあるし、自分自身でペースを作っていく走りがまだできない弱さが出てしまいました」
一方で、これまで感じたことのないプレッシャーを感じられたことは収穫のひとつとなったはずだ。
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