箱根駅伝「山の名探偵」から「マラソンの名探偵」へ? 早大・工藤慎作が目指す総合優勝とロス五輪マラソン代表 (2ページ目)
【箱根の疲労を抜くことに注力し日本学生ハーフ制覇】
丸亀ハーフと併催の日本学生ハーフでは優勝。夏の国際大会日本代表に内定した photo by Wada Satoshiこの記事に関連する写真を見る
2月2日の香川丸亀国際ハーフマラソンでも、箱根駅伝の勢いそのままに、圧巻のパフォーマンスを披露した。
「箱根でかなりよいレースをした分、疲労が溜まっていたので、箱根のあとは疲労を抜くことに注力しました。1週間ぐらいしかしっかりとした練習はできなかったんですけど、それまでに走力は上がっていたので、リズムを整えて走ろうと思っていました」
今回の丸亀ハーフは日本学生ハーフマラソンを併催しており、学生ランナーにとっては今夏のワールドユニバーシティゲームズの日本代表の座がかかっていた。工藤も「61分を切って3番以内」を目標に準備を進めてきた。
日本人史上初の60分切りが飛び出したレースは序盤からハイペースで進み、多くの学生ランナーもそのペースに挑んだ。そんななか工藤はマイペースで進めていた。
「ペースメーカーの設定が5km14分、10km28分だったので、私の力的には無理だと思いました」
箱根駅伝で見せたようにリミッターを外すような走りをすることもあるが、このような冷静さを持ち合わせているのも工藤の特徴だ。
先頭集団についていかなかった分、後半に入っても余裕があった。じわじわ順位を上げていくと、17kmを前に立教大3年の馬場賢人を抜き去り、5位に浮上した。終盤も大きくペースダウンすることなく、日本歴代4位タイ(日本学生歴代5位*留学生を含む、日本人学生歴代2位)となる1時間00分06秒の好記録で5位入賞を果たした。日本学生記録を打ち立てた駒大の篠原には届かなかったが、併催の日本学生ハーフでは優勝に輝いた(篠原はエントリー外だった)。
「今の自分は試合に出るたびによい結果を残すようになっている。今回の結果も含めて、学生のトップ格なのかなと思います」
ロードでハイパフォーマンスを続ける工藤は、きっぱりとこう言いきる。ハーフマラソンの学生王者となり、ワールドユニバーシティゲームズの日本代表にも内定。最高の形で大学2年目のシーズンを締め括った。
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