箱根駅伝総括 青学大と駒澤大はどこで差がついたのか、城西大・東洋大快走の理由を識者3人が解説 (2ページ目)

【駒大のレースは100点。それ以上に青学大が良すぎた】

■酒井政人(スポーツライター)

(予想)             (結果)

1位 駒澤大           1位 青山学院大

2位 中央大           1位 駒澤大

3位 國學院大          3位 城西大

4位 青山学院大         4位 東洋大

5位 創価大           5位 國學院大

6位 城西大           6位 法政大

7位 大東文化大         7位 早稲田大

8位 早稲田大          8位 創価大

9位 帝京大           9位 帝京大

10位 法政大          10位 大東文化大

 駒大は"山"の区間に前回メンバーを起用できなかったとはいえ、全体的な出来は悪くなかった。本人たちは納得していなかったが、篠原倖太朗(3年)、鈴木、佐藤を投入した1~3区は「ほぼ100点」とも言える走りだったと思う。

 ただ、駒大以上に青学大が良すぎた。1区・荒巻朋熈(2年)は110点、2区・黒田は120点、3区・太田は150点をつけられる。特に3区・太田のタイム(59分47秒)がすごすぎた。ハーフマラソンに換算すると58分56秒ほど。下り坂基調のコースとはいえ、日本記録(1時間00分00秒)を大きく上回るものだ。

 おそらく原晋監督ですら、これだけのタイムは予想していなかったはずだ。3区・太田の爆走は駒大にとってメンタル面を含めて"致命傷"になったような気がしている。青学大にあれだけの走りをされると、駒大はベストオーダーを組んだとしても勝てなかっただろう。

 2位に予想していた中大は12月24日以降に発熱する選手が続出。エントリー16人中14人が体調不良になり、厳しい結果(総合13位)になった。國學院大も12月10日にインフルエンザに集団感染した影響が出て5位に終わった。この2校は優勝争いできるチャンスがあっただけに、ベストオーダーでの戦いを見たかった。

 創価大、城西大、大東大、早大、帝京大、法大は予想通り、シード権を獲得した。ほとんどの大学に"取りこぼし"があったが、城西大と法大はミスが少なかった。両校は実力をしっかりと発揮した分、予想より高い順位になった。

 いい意味で裏切られたのは東洋大だ。今回はシード権を逃すと思っていたが、全日本大学駅伝の過去ワースト14位から、箱根では総合4位に食い込んだ。中でも9区・吉田周(3年)は区間2位、10区・岸本遼太郎(2年)は区間賞。学生駅伝初出場組の快走に驚かされた。

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