箱根駅伝の予選突破を狙う立命館大3本柱が考える関東の大学勢との違い「勝負をかける走りが関西とはぜんぜん違う」 (3ページ目)
★山﨑皓太
――箱根駅伝の予選会について、山﨑選手はどうとらえていたのですか。
「自分は、最初から出たいとミーティングでずっと言っていました。箱根は毎年、テレビで見ていましたし、長距離ランナーにとって憧れの舞台です。今回は自分にとって一生に一度のチャンスになりますし、その機会を逃すのはもったいない。部内では、日程的に厳しいとか、通るか否かの可能性を考えると挑戦しないほうがいいという意見もあったんですけど、自分は挑戦すること自体に意味があると思いますし、挑戦するだけの価値のある大会だと思っていたので、出場したいと言い続けていました」
――母校の洛南高校から多くの選手が関東に行っていますが、関東を目指す意識はあったのですか。
「3年の時、都大路で3位になったのですが自分は走れなくて‥‥。3年間で一度でも走っていれば関東の大学に進学も可能だったと思うんですが、結局、関東は諦めて、出雲、全日本に出て、活躍し、成長していければいいかなと思って立命館を選びました」
――高校の卒業生は箱根でも活躍していますが、刺激を受けていますか。
「三浦(龍司・順大)さんは、東京五輪や世陸にも出場し、憧れの存在ですが高校時代、一緒に練習をしてきて、どんなことをしてきたのかがわかるので、自分も三浦さんを目指して、追いつくぐらいの気持ちで頑張っていきたいですね。1年の時は同期の若林(宏樹・青学大)が箱根駅伝の優勝メンバーとして走っていたので、高校時代に勝てなかった同期たちと箱根の舞台で走れたらと思っています」
中1から陸上を始め、中3では3000mで全中に出場。その後、京都の名門・洛南高校に入学、若林を始め、服部壮馬(順大)、佐藤圭汰(駒澤大)、溜池一太(中大)ら錚々たるメンバーの中でもまれ、立命館大に入学した。チームでは10000mで28分54秒とトップのタイムを持ち、今回の予選会でも田中裕介コーチの期待は大きい。春から箱根予選会の長い距離に対応すべく基礎的なトレーニングをしつつ、距離を踏んだ。7、8月は月間で700キロを超え、距離とスピードを両立してきた。
――かなり距離を踏んだようですが、関東の大学から走行距離が耳に入ってきたりしますか。
「青学大とか、早稲田大とかの選手に聞くと、月間1000キロとか走ったりしているようですが、自分はそこまでは走れなくて......。いきなり増やすとケガのリスクもあるので、そこは来年以降やっていきたいですね」
――予選会では3本柱への期待が大きいですが、他の二人は自分にとってどんな存在ですか。
「入学時から5000mのタイムを含め、実力的にも同じなので、ライバル関係ですが切磋琢磨していい練習ができているので、本当に掛けがえのない存在です。一人が欠けても自分はここまで成長することができなかったと思えるような仲間ですね」
――予選会では、どういう走りをしたいですか。
「挑戦するからには、積極的に日本人のトップ集団についていきたいです。無理なら無理でもいいので、とにかくできるところまで喰らいついていきたいです。少しでもチームに貢献して、予選突破したい。箱根駅伝を走れれば、その後の世界が変わると思いますので」
Profile
山﨑皓太(やまさきこうた)
2003年、京都府出身 北宇治中―洛南高校―立命館大
5000m:14分11秒97 10000m:28分54秒55 ハーフ:65分08秒
著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。
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