箱根駅伝の予選突破を狙う立命館大3本柱が考える関東の大学勢との違い「勝負をかける走りが関西とはぜんぜん違う」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

★中田千太郎

――予選会に向けてハードな練習をこなしてきたと思いますが、中田選手は箱根駅伝に興味があったのでしょうか。

「予選会の話が出るまでは、あまり箱根には興味がなかったです。関西なので、出雲駅伝や全日本大学駅伝、丹後駅伝で良い結果を出したいと思っていました。箱根は関西には通常ないというのもありますが、ハーフ以上を走ることになります。自分は、全日本だと最長が20キロぐらいですし、スピードで勝負できることを考えると、そっちのほうが戦えると思っていたんです。でも、予選会に出場できるということを聞いて関西の大学でも箱根の予選会を走れるのは特別ですし、これを逃がしたら2度と経験することができないので、走りたいと思うようになりました」

――同期の大森選手は、予選会出場に反対でしたが。

「大森は、口では嫌だと言っているんですけど、走るとなるとしっかりと結果を出してくれます。予選突破を考えると大森の走りがすごく大事になってくると思いますので、僕は彼のことを信じています。ただ、この夏は体調を崩していたので、大丈夫かなと思いつつ、今は大森を倒すチャンスだと思って練習しています(笑)」 

 大森と中田は智辯学園奈良カレッジ高校陸上部出身で、高校時代は大森がキャプテンで中田が副キャプテンだった。口下手な大森を中田がフォローし、練習ではキャプテンがしっかり引っ張るなど、うまく役割分担ができていたという。大学でも大森が引っ張る図式は変わらないが、中田と山崎皓太は下級生の面倒を見てきた。夏合宿を経て、下級生を含めて距離にも自信を持てるようになり、予選会に向けては「ワクワクした気持ち」でいるという。

――予選会に向けては、相当の練習をこなしてきましたか。

「前年度と比べて月間で600キロを超えるなど距離が増えましたし、スピード練習の強度もだいぶ高くなってきた中、ケガすることなく、すべての練習をクリアすることができました。それが自信になりましたし、走れる実力もついてきたのかなと思います」

――関東の学生と戦うわけですが、学生ハーフなどで戦った印象は。

「勝負をかける走りが関西とはぜんぜん違いますね。例えば5000mを走る際、関西の選手はけっこうイーブンでいく感じの走りが多いんですけど、関東の選手はペースが上下して、最終的にはいいタイムで終わっているんです。そのくらいの実力というか、余裕度があるのを感じたので、合宿などで長い距離を踏みつつ、ペース変動に対応してリズムを崩さないようにというのを意識して、ずっと練習をしてきました」

――予選会は、どんな走りを見せてくれますか。

15キロ過ぎ、(昭和記念)公園内に入って狭いアップダウンを行くんですが、自分はアップ&ダウンが苦手で(苦笑)。でも、下りは好きなので上りのリカバリーをしつつ、ペースを上げていきたいですね。そうして、最後まで先頭集団からこぼれないように、一定のリズムで走り切れたら結果がついてくると思います」

Profile
中田千太郎(なかたせんたろう)
2002年、奈良県出身 桜井中智辯学園奈良カレッジー立命館大
5000m141924 10000m294202 ハーフ:6518

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