泉谷駿介、110m H日本記録の裏にあった技術の進化 世界と戦える12秒台へ向け「小さい体でよかった」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岸本勉●撮影 photo by Kishimoto Tsutomu

 このあと目指すのは、6月下旬に出場するヨーロッパの2試合で、今回のようなタイムを出す走りをすることだ。

「そのくらい出ないとダメだと思うし、そこでしっかり結果を出して世界選手権(8月19日開幕)につながるようなレースができればいいかなと思います。去年は14秒台でシーズンインして日本選手権まで間が開いてしまったので自信はなかったけど、今年は序盤で13秒0台が2本出たので自信になったし、世界の決勝も見えてきました」

 13秒04は昨年の世界選手権では2位に相当する記録で、21年東京五輪なら1位と同タイム。それを予選と準決勝を経たあとの緊張感も最大になる本番で出すのは極めて難しいが、もうひとつ泉谷が目指している12秒台もまだ世界では23人しか出していないハイレベルな記録だ。その大記録を出すことができれば大きな舞台での自信にもつながるはずだ。

 大きな目標が明確になってきた泉谷は今、日本人の誰もが見たことのない新たな世界に踏み出そうとしている。

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