箱根駅伝でシード権を争った4校の明暗。故障者も多いなかで勝負を決めたのは「選手層」と「調整力」 (3ページ目)
【明治大は前年に続いて「デコボコ」のレースに】
「故障者を出すのが怖かったのと、疲労感があるということで詰めきれなかったのは反省としてありますね」と大志田秀次監督。出雲と全日本でメンバーが揃わなかったため、選手たちのギアを上げきれなかったようだ。
日本人エースの丹所健(4年)は2区で区間11位、ヴィンセントも、絶好時と比べると爆発力が足りなかった。また、前回の6区と7区を好走した林優策(3年)と冨永昌輝(2年)を欠いたのも痛かった。
予選会を2位で通過した明大は、前回大会に続いて"デコボコ"のレースになった。1区富田峻平(4年)が区間賞と絶好のスタートを切るも、2区・小澤大輝(4年)は区間14位で13位に転落。「確実に区間10位以内でつないでいきたい」と考えていた山本佑樹監督の思惑は序盤で崩れた。
往路を12位で終え、復路は7区・杉彩文海(3年)の区間賞もあり、8区終了時で9位につけた。しかし、9区・下條乃將(4年)が区間17位、10区・漆畑瑠人(4年)が区間18位。区間の半数がふた桁順位となっては、シード権獲得は難しくなる。
明大の敗因は2区候補の児玉真輝(3年)と、10000mでチーム最速の28分19秒77を持つ櫛田佳希(4年)を故障で欠いたことにあるだろう。特に児玉は、地元を走る2区で「1時間7分切り」という目標を立てていた。4区を希望していた小澤(前回4区7位)が2区に入るなど、当初想定していた区間配置が大きくズレ込んだことになる。
山本監督は「最後の調整のところで2人欠場となってしまった。トータル的なマネジメントがちょっと足りなかった」と語った。上位を狙える戦力がありながら、チームのポテンシャルを引き出すことができなかった。
シード権争いも優勝争いと同じで、快走よりもミスを最小限に抑えたほうが有利になる。チームトップ10の実力よりも、選手層の厚さと、指揮官の"調整力"が大きいと言えるかもしれない。
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