箱根駅伝優勝へ東京国際大が順調な歩み。4年生の多くが経験者、トラックシーズンで新戦力も台頭 (2ページ目)
山谷昌也の調子は上がるのか
イェゴン・ヴィンセント(4年)はケニアから戻り、千歳大会の5000mでペーサーとして出走した。13分40秒の設定のせいか、余裕がありすぎてペースが早くなり、「リラックス」と声かけされたが、調子は上々のようだ。大志田秀次監督は「ケニアの選手は日本のようなペーサーで試合を運ぶのではなく、ペースの上げ下げの激しいレースをしている。ヴィンセントは、日本に慣れて、ケニアで育っている選手とは違う。そういうところを含めて、いろんなことを経験してきたと思うので、それを今後、どう活かすかですね」と、競技者としてケニアでの経験を経て、またひとつ成長した姿を見せてくれることを期待している。
山谷昌也(4年)は、網走大会での1万mは29分53秒17、千歳大会の5000mは14分37秒73に終わった。関東インカレの2部5000mでは日本人2位になり、春は丹所よりも調子がよかった。そこからホクレンまでの間に、いったい何が起きたのだろうか。
「関東インカレで入賞して、いい結果を残せたんですけど、その後、調子を崩してしまいました。なぜ、調子が落ちたのか、よくわからないんです。関カレ前は余裕を持ってできていたペースの練習が関カレ後はきつくなって......。急に暑くなったり、疲労が抜けないとか、そういうのもあるのかもしれないですけど、それでもなんとか調子を上げようと工夫してきたんですが、調子が上がらないまま今回、スタートラインに立ってしまった感じです」
レースに出ない選択肢もあったが、大志田監督から「調子が悪いなりにしっかりとまとめることがこれからの成長につながるよ」と言われて出場した。
「監督と話をして予定していたタイムよりも大幅に遅れてしまったので、自分の力不足を感じました。トラックシーズンは......50点ぐらいですね。前半はよかったので、そのままホクレンもよければ100点だったんですけど......。昨年もこの時期に走れなくなって、気持ちが落ち込んだのですが、夏合宿で調子を上げていくことができたので、今年もこれから調子を取り戻していきたいです。丹所も最近調子を上げてきていますからね。1万mの自分の自己ベストを抜かれてしまったので、夏合宿で強くなって、もう1回、丹所の記録を抜き返せるようにしたいと思っています」
山谷自身の調子は、まだ底の状態のようだが、チーム全体を見渡すと故障からの復帰組や中間層も結果を出すなど、選手層の底上げが確実に進行している。
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