2022.06.14

男子短距離の新戦力候補3人。世界選手権4×100mリレーの戦力となるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 昨年の東京五輪で4×100m決勝失格の雪辱を、7月の世界選手権で果たそうとしている男子短距離。その出場をかけて走る日本選手権は、明るい話題が少なかった。

 初日の100mは、ケガで5月のゴールデングランプリを欠場していた多田修平(住友電工)が準決勝で敗退。4月の出雲以来のレースだった桐生祥秀(日本生命)も、10秒24で第1組4位と、着順ではなく記録上位2名のプラス2番目で、かろうじて決勝に進んだ。

男子100mはサニブラウン(中央)が優勝、酒井(左)が2位、柳田(右)が3位に入った男子100mはサニブラウン(中央)が優勝、酒井(左)が2位、柳田(右)が3位に入った  桐生は「試合感覚が取り戻せずダラダラ走っていた。何かを変えないといけないと思う」と反省したが、翌日の決勝でも、いつもの中間からのキレのある加速を取り戻せず、10秒27で6位という結果に終わった。

 桐生が高校3年で10秒01を出して注目されたのは、東京五輪の開催が決定する4カ月前の2013年5月。そこからずっと東京五輪での結果と、日本人初の9秒台突入を期待され、精神的にも追い込まれ続けた10年間から解放された今、「何をやりたいかというのがわからないままシーズンインしてしまった」と答え、それもしかたない状況だった。ある意味、これまで背負ってきた10年間に区切りをつけられた結果でもある。

 準決勝は10秒13の全体2番目の記録を出していた小池祐貴(住友電工)が、決勝で世界選手権参加標準記録の10秒05突破を狙いながらも、10秒19。同タイムの柳田大輝(東洋大)に0秒004競り負けて4位。昨年膝の手術をして日本選手権を欠場している山縣亮太(セイコー)も含め、東京五輪のリレーを走った選手は誰も表彰台に上がれないという予想外の結果になった。