「最強の2年」を擁する駒大が箱根連覇、駅伝3冠へ。主将・田澤廉が考える課題とは? (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 長田洋平/アフロスポーツ

「チームとしては今、自分と鈴木と唐澤が抜けていますが、問題はその下ですね。上の世代を始め、中堅の選手が自分が走るんだという自覚を持たないと強くなれない。駅伝で勝つためには、その中堅層の走りが重要になってくるので、夏合宿ではそういう選手を意識して、声を掛けていきたいと思います」

 ただ、唐澤や鈴木ら2年生の勢いは、田澤も感じている。

「確かに今の2年生は、強いと思います。力もついてきていますが、そういう選手に自分が負けることは許されない」

 田澤は、今回、1年ぶりに5000mを走った。自己ベストを更新したが、「1年ぶりなので当たり前」と語り、笑みをまったく見せなかった。大学トップランナーとしてのプライドがあるだろうし、3年生は下級生に、どんなレースにも負けられない意地もある。田澤の負けん気の強さが、こんなところから見て取れる。

「今回のレースは悔しさしかないです。芽吹のタイム(13分27秒83)を気にして、20秒とか狙って走ったんですけど、キツくて......スピードが足りなかったなと思います。最近自分が納得できるレースがないので、走り込んで秋のレースに臨みたいと思っています」

 この千歳大会でトラックシーズンは終わりになる。上半期は、田澤にとって、どんなシーズンだったのだろうか。

「10000mは、自分が思っていたぐらいかなぁという感じです」

 5月、日本選手権男子10000mで27分39秒21で2位になり、自己ベストを更新。学生記録(27分38秒31)を目指したが、1秒足りず、本人曰く「情けない走り」をした。だが、6月のデンカチャレンジカップの10000mでは27分52秒52で優勝し、タイムだけではなく、勝てる選手であることを証明した。

「5000mは、シーズン前は13分30秒ぐらいだと思っていたんですけど、それを今回、達成できたのは嬉しいです。でも、それ以上に芽吹が走ったので、そのタイムを目標にして走ったんですけど、負けたのでダメかなという感じですね」

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