神野大地は東京マラソン2時間8分台も
視野。有言実行の金メダル獲得 (3ページ目)
「これまで6回マラソンを走って、自分が思っていた以上によかったことがなかったんです。練習して、いいタイムが出せるはずなのに、本番のレースでは結果を出せない自分がいて......いつもそことの葛藤でした。実際、思う結果が出せなくて、引退した選手もいる。マラソンで結果を出すのがいかに難しいか、ずっと感じていました。
僕の座右の銘は"努力は裏切らない"ですが、MGCが終わったあと、その言葉って本当なのかと......。やってきた練習は間違っていないと思うけど、力を発揮できない僕のマラソン人生はどうなるのかと不安になったりしたんです。でも今回結果を出せて、やっぱり"努力は裏切らない"は本当だったんだと。それはすごく大きいですね。モチベーションがさらに高くなりました」
今後マラソンを続けていくうえで、今回、自信を回復することができたのは、神野にとって金メダルと同じぐらい大事なことだった。また日本代表として走った経験も大きなものになった。
「やっぱりJAPANのユニフォームやジャージーを着ていると、身の引き締まる思いでした。スタートラインに立った時、『いつものレースと同じだよ』って思っていたのですが、今までにない緊張感に襲われて......。これが日本代表のプレッシャーなのかって思いましたし、アジアの大会でこの緊張感ということは、世界陸上やオリンピックは今回と比較にならないほどすごいんだろうなって。ただ、第一段階としてそういうのを経験できたのはよかったです」
また、マラソンに対する練習の組み立て方にも、新たな自信を持てたという。
「今回はあまり距離系の練習を入れなかったんです。その分、ジョグの量を増やして、あとはスピードに対して余裕を持てるような練習が中心でした。実際、キロ3分切りの練習を重ねていたせいか、レースでも全然きつくなかった。僕は距離にこだわらなくてもいいランナーで、スピードに余裕を持たせた状態でスタートラインに立つことが大事だと思いました」
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