2019.08.20

衝撃の日本記録。走り幅跳び・
城山正太郎は五輪メダルの可能性十分だ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 8月17日に開催された「アスリート・ナイトゲームズ・イン福井」は、夕方からの競技で好記録が続出した。

走り幅跳びで日本記録を更新した城山正太郎 約1万人の観客が見守るなか、その口火を切ったのが男子200mだった。出場したのは、白石黄良々(きらら/セレスポ)や、日本選手権の太もも肉離れからの復帰レースとなる飯塚翔太(ミズノ)。追い風0.8mの絶好の条件の中、スタートから飛ばした8レーンの白石が世界陸上参加標準記録20秒40を上回る、20秒27でゴール。続いて飯塚が20秒39、3位の山下潤(筑波大)も20秒40と、標準記録を突破した。

 続く男子走り幅跳びは、衝撃的な展開となった。

 日本選手権連覇の橋岡優輝(日大)が1回目に追い風1.6mの条件で、日本記録を7cm更新する8m32で会場を沸かせ、優勝は確実と思われた。ところが、3回目の跳躍で城山正太郎(ゼンリン)が、今季世界最高に1cm及ばないだけの8m40を跳んで日本記録を更新したのだ。

 走り幅跳びは、アジア選手権やユニバーシアードで優勝した橋岡の実績がこれまで突出していたが、今回、城山も力を発揮したことで、世界選手権や東京五輪へ向けて期待が大きく膨らんでくる。

 城山は北海道函館市出身。小学4年から陸上を始め、走り幅跳びは函館有斗高2年から始めた。これは、トップ選手のなかでは遅いスタートだ。2016年には8m01を跳びながら、その後伸び悩んだが、今年は「パワーがついてきて大きな筋肉を使えるようになり、走る時の地面の捉え方もよくなってきた」と本人が話すように助走スピードがアップ。そして今回、自己記録更新を一気に39cmも更新する大ジャンプを成功させた。

「以前は8m0台に壁のようなものを感じていましたが、(今年)7月のヨーロッパ遠征のベルギーの大会で、追い風参考記録ながらも8m32を跳んだ時の感覚がすごくよくて。あの感覚で跳べれば、世界選手権の標準記録の8m17や、五輪の標準記録の8m22も跳べると思っていた。これまで追い風参考でいい記録を跳んだあと、それよりもいい記録を公認の風で跳べることがあったので、今日、もしかしたら……、というのが頭の片隅にはありました」(城山)