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衝撃の日本記録。走り幅跳び・
城山正太郎は五輪メダルの可能性十分だ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

「まさか8m40まで行くとは思っていなかった」と城山は言うが、「3本目の助走はベルギーの時に似ている感覚で、空中もすごく浮いて着地もしっかりまとめられた」と冷静に振り返る。

「8m40を跳べたのは、条件がよかったからなので、気持ち的には8m20くらいの感覚として留めて置いた方がいいかなと思う。日本記録保持者にはなったけど、(今後)橋岡選手が記録を塗り替えるのは間違いないと思う」

 一方、橋岡は1回目の直後、自らの跳躍について首をひねっていた。

「助走が詰まってしまい、踏み切るというよりは、そのまま流れたという感じだった。着地もつんのめる感じになってしまったので、8m10くらいだと思っていました。それでも8m32だったのでびっくりしましたが、森長正樹先生には『今ので32cmならもっといけるぞ。40も狙えるから修正をかけていけ』と言われました」

 その後2回目と3回目は助走の修正ができなかったが、それ以降は安定したジャンプ見せた橋岡は、最後は笑顔でこう話した。

「条件もよかったし、記録を狙った試合は久しぶりなので途中まで楽しめました。8m40は跳べない記録ではないと思いますが、今回は自分の力がちょっと未熟だったと思います。ユニバーシアードは助走より踏切がよかったので、今回の5本目の助走とユニバーシアードの時の踏切がかみ合ってくればもっと記録も出ると思う。自分自身(今後を)楽しみにしています」

 走り幅跳びなどの跳躍種目の場合、世界大会で自己新を出すことはかなり難しいことであり、国内で出した記録がそのまま世界大会での結果につながるとは限らない。だからこそ、選手たちはアベレージを大事にするし、国際大会での経験も重要なものだと考える。

 今大会の結果を受けて、国内でハイレベルに競り合える状況になったのは、東京五輪へ向けて追い風になる。常に緊張感を持って戦わなければいけない環境は、精神面もタフにさせるからだ。その意味で、今回の走り幅跳びの日本記録更新は、大きな収穫と言える。

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