神野大地が3つの取り組みで成果。MGC本番へ自信を確信に変えた
神野プロジェクト Road to 2020(34)
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北海道・士別合宿の仕上げであり、MGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)本番(9月15日)前の最後の公式レースとなった士別ハーフ。神野大地はそのレースで、2つのテーマを掲げていた。
「ここまでやってきた新たな取り組みが、どう結果に結びついてくるのかを確認すること。もうひとつは、MGC前の最後のレースなので勝ちにこだわること。MGCに出場する選手も出るので、確実に勝って、勝ち癖をつけておくことが大事かなと思っています」
そう語る表情に余裕があったのは、新しい取り組みについて、たしかな手応えを感じているからだ。
MGCに向けて順調な仕上がりを見せている神野大地 士別ハーフを走る12日前、神野は北海道・深川にいた。当初、予定はなかったが「レースのなかで、今まで取り組んできたことの確認をしたい」となり、ホクレン・ディスタンスチャレンジ2019の深川大会への参戦を決めた。
1万mに出場し、28分32秒30というセカンドベストを出した。
「結果が出たのは、新しい取り組みがいい方向に出ているということ。これまでやってきたことへの自信が深まりました」
神野がホクレン深川大会の1万m、そして士別ハーフで確認するために取り組んできたことは3つある。
まず6月にケニアから来たニコラス・コリールと一緒に東御・湯の丸高原で合宿を組み、質量ともに高いレベルで練習をこなすことができた。それが実戦のレースでどう出るのかということ。
2つ目は、スプリント指導のプロ組織0.01を主宰する秋本真吾、伊藤友広からフォーム改造の指導を受けた。接地した時に腕が真横にあるフォームがより楽にスピードが出る。その形を繰り返して進むことで、今まで以上に速く走れるようになるというのだ。
とはいえ、簡単にできることではなく、実際、6月上旬の日体大記録会で1万mを走った時は、ふたりからのアドバイスを何ひとつ生かせなかった。秋本と伊藤は物事を伝える術にも優れており、まだ感覚がつかめていない神野に絶妙な言葉でアドバイスを送った。
「着いた足を拾っていくという伝え方がハマりました」
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