2019.02.10

東海大の新主将・館澤亨次の誓い
「学生駅伝3冠と新時代の常勝軍団へ」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

東海大・駅伝戦記 第46回

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 東海大の新キャプテンに、館澤亨次(たてざわ・りょうじ/3年)が就任した。

 東海大の場合、キャプテン候補の選手には、覚悟と自覚を2、3年時から持たせるようになっている。現キャプテンの湊谷春紀も3年生時に内定し、前キャプテンの春日千速(ちはや/現ヤクルト)のやり方を見て学んできた。

 だが館澤らの代は、最初キャプテン候補がなかなか見えなかった。なんとなく候補者が見えてきたのは、昨年の秋だった。もともと館澤は学年リーダーだったが、同学年の關颯人(せき・はやと)が「うちのボス」と館澤を呼んでいたこともあり、「館澤かなぁ」という空気は感じていた。

東海大の新キャプテンに就任した館澤亨次 しかし館澤に「来年はキャプテンだね」と話を振ると、「いやー、3年生にはいい人材がたくさんいるので、自分なんかは……」とニコニコしながらも、当時はやんわり否定していた。

 今年1月、初優勝を飾った箱根駅伝直後、3年生が集まりキャプテンと新体制について話し合った。

 その際、館澤と西川雄一朗がキャプテン候補として上がった。最終的に館澤が選ばれ、同学年の仲間から承認された。両角速(もろずみ・はやし)監督は以前から「館澤キャプテン」を想定しており、その決定にとくに驚きはなかったという。

「館澤は、春日や湊谷とは違うタイプ。自分らしく引っ張っていってほしい」

 両角監督は、館澤への期待を隠さない。

 キャプテンだった春日、湊谷は性格的におとなしく、自らグイグイ引っ張っていくタイプではなかった。それでも湊谷はチームをまとめ、箱根駅伝初優勝のキャプテンとして部の歴史に名前を刻んだ。だが、言葉よりも背中で引っ張る姿に、両角監督も「チームを引っ張っていくことの物足りなさはある」とこぼしていた時期があった。

 館澤は、前任者たちとちょっとタイプが違う。明るく、熱く、真っ正直な男で、昨年、出雲駅伝で敗れた時は人目をはばからず悔し涙を流した。また、合宿では全体練習のあとにホテルまでジョグで帰り、夜は低酸素テントに入って睡眠を取るなど、競技者としての意識も高い。ウエイトトレーニングも率先して取り入れており、その肉体は短距離選手のように磨かれ、まるでギリシャ彫刻のようだ。