箱根駅伝5位に沈んだ東海大の自省。「速さはあるが、強さがない」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun  photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 2区の阪口は気持ちが入っていた。「鈴木健吾選手には絶対に負けない」と覚悟を決めて挑んだという。1区5位で襷(たすき)を受けた青学大・森田歩希(3年)、6位の神奈川大・鈴木に追いつき、2位グループを形成してハイペースで飛ばした。

 だが、12km手前から離れていってしまった。11月のセブンヒルズで好タイムを出し、自信を持って2区に名乗りをあげたが、両角監督のいうように強豪相手との駆け引きの中でスタミナを消費した。それでも区間7位は、最後まで気持ちで走った結果だった。

 鬼塚は6位に順位を上げたものの、出雲の時のように追い上げることができず、春日はかろうじて順位はキープしたが後続に迫られ、5区の松尾は法政大の青木涼真(3年)らに抜かれ、9位に落ちた。両角監督の言葉通り、4区、5区が3区までのような区間順位で来れば、復路はもう少し希望が持てたものになっただろう。

「上位3チーム(東洋大、青学大、早稲田大)にはお手上げですね」
 
 往路が終わり、両角監督はそう言って悔しさを噛みしめた。

 駅伝は何が起こるか、わからない。戦前、両角監督は復路では首位との差が2分以内であれば、ひっくり返せると踏んでいた。同時にどこのチームが上位にいるのかも重要だと言っていた。同じ2分差でも青学大など強豪校が先行すると、追いつき、追い越すのは困難になるからだ。だが、悲しいかな往路終了時点で、東海大の前にはその青学大だけでなく東洋大もおり、タイム差が4分以上もあった。これは総合優勝が絶望的な差だった。

 しかし、復路の選手たちが次への光明を見せてくれた。

 6区の中島怜利(れいり/2年)が区間2位の走りを見せ、9位から5位にチームを押し上げた。國行麗生(くにゆき れお/4年)は後半伸び悩んだが5位をキープし、8区の館澤亨次(2年)につないだ。館澤は区間2位という圧巻の走りを見せ、3位まで順位を上げた。

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