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箱根駅伝の順天堂大は、
オリンピアン塩尻を軸に「適材適所」で上位へ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO SPORT

 こう話す長門俊介監督は「今年も優勝を狙っていくのではなく、『虎視眈々と』というチームかなと思っています。全日本でも1区23位と出遅れて結果は12位、まだまだそんなチームじゃないというのも見えてきたので。ただ、箱根に関して言えば、前回のメンバーから4年生が4人抜けていますが、往路に関しては1区の1人だけなので、見方によっては今年の方が戦力的にはいいんじゃないかなとも思いますね」と言う。

 その自信の根源になるのが塩尻と栃木の2本柱に加え、5区には前回区間5位の1時間14分12秒で走った山田攻(こう/3年)が今季も残っているからだ。

「山田は前回、上りの最高地点の通過タイムは全体のトップだったんです。そこからの下り区間で5番まで落ちただけなので、上りだけなら本当に強い。それに今年は5000mと1万mで自己記録を更新してパワーアップしているし、全日本でも7区で区間9位と平地もそこそこ走れるようになっている。上りがこれ以上速くなることはないでしょうが、最後の5km(前回より)は走れるようになってきているんじゃないかなと思います」

 長門監督はそう期待する。ただ、大きな課題は1区に誰を使うかということだ。出雲駅伝では1万m29分20秒79の清水颯大(そうだい/1年)を使い、全日本では29分16秒71の橋本龍一(2年)を使ったが、それぞれ区間15位と23位という結果に終わっている。

「全日本の橋本は1区のテストをしたわけではなく、出雲の7区でいい走りをしたので、アップダウンに強いかなと思って使っただけです。箱根ではトラックタイプがもう1枚いれば、それを1区に持っていくかもしれませんが、現状で大学対抗戦でも戦えるとなると塩尻と栃木しかいない状態だから......。1区の場合はどういう展開になるか読めないですが、たとえ遅い展開になってもハイペースに対応できる選手を使う必要がある。

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