箱根駅伝の順天堂大は、オリンピアン塩尻を軸に「適材適所」で上位へ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO SPORT

 でも、栃木を1区には持っていきたくないという思いもある。順大の箱根駅伝は歴史的にみても"適材適所の配置"というのを重視していて、1区に関しては、"勝負の1区"をやっていないんです。もし栃木を1区に持っていって、塩尻が(2区で)神奈川大の鈴木くんと一緒にいけるようになったとしても、4区に栃木が置けなくなるので他大学の監督はうちに怖さを感じないと思うんです。

 だから塩尻がガンと行っても、『行かせとけ』ということになる。僕が他大学の監督だったらそうするし、逆に栃木が4区にいたなら『これ以上、行かすな』という指示を出しますから。選手はその特徴を生かす区間で使いたいなという考えです」

 29日に発表された区間エントリーでは、1区に吉岡幸輝(3年)が置かれ、栃木は"カード"として補欠となった。当日、このカードをどのように切ってくるのか

 復路に関しては、前回4年生が8区以降を区間7位、3位、1位と好走して、一時は6位まで落ちた順位を4位まで上げた。早い段階から往路候補か復路候補か選手を見極めて、秋から練習メニューを別にする調整方法をとっていることが功を奏していると自信を持つ。

 また、往路か復路かを問わず、クロスカントリーを基本にした練習に加え、フィギュアスケートの選手をみているフィジカルトレーナーを自力で探してきて、体幹部の強化だけではなく、動きの中での体のバランスや重心を取ることを意識して強化してきた。その結果、劇的に故障も減り、全体的なレベルアップにつながっているという。

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