「箱根の山で目立ちたい」。強気の1年生は東海大の秘密兵器になるか (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 神林は7区にエントリーされた。4連覇を目指す青学大とは熾烈な優勝争いを展開しそうだ。西田が出走するかどうかはわからないが、走る場合、161cmの小さな体がチームの大きな期待を背負うことになる。

「プレッシャー? 箱根は楽しみしかないです。レースではあまり前に立たれるのは好きじゃないので、前にいる選手は全部抜きたいですね。そのまま単独走で自分のペースで行ければ。秘密兵器として目にモノ見せてやる気持ちで走りたいと思います」
 
 果たして西田は、柏原、神野のような「山の神」になれるだろうか。潜在的には神野と同じような体型で、軽い体を活かして跳ねるように上っていくので"山"の適性があり、"神"になれる可能性は十分にある。もし、西田が走り、「山の神」になれば、東海大最強時代を担う選手になり、他大学にとっては大きな脅威になるだろう。

「走る時は、これって言う勝負曲はないですが、テンポの速い盛り上がる曲を聴いて、テンション上げていきます。それがルーティンなんで」

 出走する選手が確定するまで、西田は準備を続けることになる。松尾はピーキングに少し難があるが、今のところ好調を維持しており、粘り強い走りができる好選手。その壁は高く、出走は厳しいだろうが、西田にとっては先輩のバックアップをしながら箱根を見る経験も決してムダにはならないはずだ。

(つづく)

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