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「箱根の山で目立ちたい」。強気の
1年生は東海大の秘密兵器になるか (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 西田は山への思いが非常に強い。九州学院高校時代から山を走ることを決めて東海大に入学してきたのだという。

「柏原(竜二/東洋大)さん、神野(大地/青学大)さんを見て、山を登ることを高校時代から意識してやってきました。5区は大きく逆転できる区間ですし、自分がそこを走って逆転したり、後続に差をつければ、東海大の優勝に貢献できると思うんです。『山の神』までは意識していないですけど、自分の走りをして、目立ちたいですね。性格的に目立ちたがり屋なので。今回はただ調子がいいからメンバーに選ばれたと、みなさん思っているでしょうし、僕のことは知らないと思います。秘密兵器ってことにしておいてください(笑)」

 飄々(ひょうひょう)とした明るい性格で先輩たちにイジられ、可愛がられている。西川雄一朗主務には「チョロ松」と呼ばれ、ぴったりの愛称に思わずに笑ってしまったが、練習の合間や練習以外では輪の中心にいる。1年生ながらムードメーカーの役割を果たしているのだ。

「みんなにイジってもらえれば、ありがたいです」

 西田自身もそんな状況を愉(たの)しんでいる。

 普段、練習の時は先輩たちといるので、オフの時は同期と楽しむようにしている。今の楽しみはショッピングモールに行き、塩澤稀夕(きせき/1年)と映画を観ることだ。12月はさすがに行けていないが、箱根が終われば、また楽しみにしているという。

「映画はその時期に一番流行ったものを観にいくことにしています。一緒に行く塩澤とは一番仲がいいですね。箱根は出られたら、塩澤や名取(燎太)、他の1年生の分も自分が背負って走るつもりです。他大学では神林(勇太・青学大1年)に負けたくない。高校の時からずっとライバルですし、神林が出雲を走って、すごく刺激を受けました。箱根では区間は違うと思いますが、負けられないという気持ちが強いですし、俺の方が強いっていうところを見せたいですね」

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