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【月報・青学陸上部】立川ハーフで
見えた「箱根4連覇」への不安と課題 (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 そして、期待の1年生もほとんど結果を出せずに終わった。 

「このレースの重要性を1年生はまだ分かっていないのかなぁ。たぶん、初レースみたいな感覚でやっているんですよ。鈴木と吉田は上が見えてきているけど、今日のレースも突っ込んでいくわけでもなく、勝負をしていない中でタイムが上がってきているだけ。ガチのハーフのレースはもう秋までないので、勝負してほしかったですし、このレースでトップを争うような経験をしてほしかったですね」

 安藤コーチが厳しく1年生を見ているのは、これからの戦力、つまり選手層に影響が出てくるからだ。3年生は下田ら主力がおり、2年生は実力者揃いでこのレース結果が示すように調子がいい。だが、1年生はこのレースでは竹石尚人が自己ベスト更新の1時間4分59秒で90位が最高位だった。故障明けの鈴木塁人は万全ではなく、期待された吉田祐也、中根滉稀は結果を残せなかった。分厚い選手層が青学の強さの根源だが、特定の学年の出力が落ちると、その根本が揺らぐ可能性が出てくる。

「4月には新1年生が入ってくるけど、彼らに多くを期待するわけにはいかない。今、この時期に成長していかないと今の1年生の世代が空洞化してしまう恐れがある。そうなると選手層に大きな影響を及ぼすことになります。実際、昨年までは箱根を走れそうな選手がたくさんいて、誰を落とそうかというレベルでしたけど、今は片手で数えられるし、この選手だなって感じで、先が見えてしまっている。競争がなくなるとチームが停滞してしまう。強い時代を見てきているだけに今は物足りなさを感じています」
 
 青学は今の2、3年生が3、4年生になり、このままトップフォームでいったとしてもやはり彼らだけでは駅伝は戦えない。駅伝は総合力の勝負であり、学年ごとに走れる選手が必要になる。これからも「青学王国」を継続していくためには、"谷間の世代"を作っていけないのだ。

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