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【月報・青学陸上部】立川ハーフで
見えた「箱根4連覇」への不安と課題 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 橋詰は箱根駅伝以降、好調をキープしている。2月の神奈川マラソン(ハーフ)では、1時間2分56秒で学内では森田に続き、2位だった。その後、宮崎合宿でしっかりと走り込み、この立川でも結果を出した。

「橋詰はたまにいい記録をポンと出すけど、単発で安定性がなかったんです。おっとりした性格ですが、もともと能力があるし、コンスタントに結果を出せるようになれば主力選手として期待できると思っていたので、ようやくって感じですね」

 4年生の小関一輝マネージャーは、そう語った。

 橋詰は入学時から非常に期待された選手だった。和歌山北高校時代、インターハイ1500mで4位に入賞するなどスピードがあり、5000mは14分16秒15。都大路では1区を走り、ラストスパートで伊賀白鳳高校の下史典(現・駒沢大2年)に競り負けたが見事な走りを見せた。今回のレースでも下に10秒差で敗れたが、ダイナミックな走りで同期の梶谷や富田浩之ら5000mで13分台のタイムを持つ選手同様に「将来性」を高く評価されていたのだ。

 しかし、1年生の時は陸上と勉強の両立に苦しみ、芽が出なかった。2年生になると夏は御嶽、妙高高原の選抜合宿組に入ったが、9月の学内タイムトライアル(5000m)では下位に終わり、駅伝には絡めなかった。いろいろ苦しんだが、期待された才能がようやく今、開花し始めたのである。

 安藤コーチは、今回の橋詰の「走り」を高く評価した。

「橋詰は1年の時、神奈川ハーフ(3位・1時間3分33秒)はよかったけど、立川ハーフがよくなかった。でも、今回は神奈川と立川の両方をしっかりと揃えてきた。しかも今回は最初から突っ込んだレースで勝負しての5位。スピードがあるし、暑い中でも走れる。私なら彼を箱根3区で使いたい。そのくらいの信頼感がありますね」

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