高速化の東京マラソン、箱根ランナーたちの日本人2時間6分台は出るか

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 大会2日前に行なわれた東京マラソンのプレスカンファレンスは、例年以上の熱気に包まれた。その最大の理由は、男子招待選手のゼッケンナンバー1、ウィルソン・キプサング(ケニア)が「2時間2分50秒」というターゲットタイムを答えたからだ。

昨年は13位に終わった今井も、「完全復活」でレースに挑む昨年は13位に終わった今井も、「完全復活」でレースに挑む 現在のマラソン世界記録は2時間2分57秒。2014年9月のベルリンでデニス・キメット(ケニア)が樹立したタイムだが、元世界記録保持者のキプサングがその記録を「東京で塗り替えてみせる」と宣言したのだ。キプサングは2時間4分を3回、同5分を7回も破っている選手。昨年9月のベルリンでは世界歴代4位タイの2時間3分13秒を刻むなど、好調を維持している。

 プレスカンファレンスの前日に東京の新コースを案内されたキプサングは、「コンディションは良好です。東京は高速コースのひとつ。他の招待選手も強いので、ペースメーカーがうまく引っ張ってくれれば、世界記録のチャンスはあります。サプライズではありません」と話した。

 今年で11回目を迎える東京マラソンは、「世界で一番エキサイティングなレース」を目指して、コースがリニューアルする。ランナーたちを苦しめた佃大橋など、臨海部における橋、坂、風を避けたレイアウトになった。特に坂に関しては、終盤のアップダウンの連続がなくなり、東京駅前の行幸通りがフィニッシュという「高速コース」に変貌を遂げたのだ。

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