全日本大学駅伝、本命・青学大を「東海大1年生トリオ」が急襲する (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 ダントツV候補の青山学院大に対抗できるとすれば、全日本で最多12度の優勝を誇る駒澤大だろう。出雲はエース中谷圭佑の欠場が響き5位に沈んだが、全日本では1区に登録された。前回は1区中谷が区間4位、2区工藤有生が区間2位、8区大塚祥平が区間3位と主力3人がしっかり機能している。大塚は8区に入ったものの、工藤と西山雄介が補欠登録されているため、中谷が外れることも考えられる。しかし、中谷のスピードが戻っていれば、青山学院大・下田を大きく引き離すことは十分に可能だ。自力Vを奪うためには、1区と2区で青山学院大を突き放したい。

 そして、駒澤大と共に期待値が高まっているのが東海大だ。出雲では1区から3区に鬼塚翔太、舘澤亨次(たてざわりょうじ)、関颯人の1年生トリオを並べて、3区を走った関の区間賞でトップを奪うと、5区の終盤まで先頭を駆け抜けた。全日本は1区に鬼塚、2区に出雲でアンカーを担った湊谷春紀(みなとやはるき)、3区に舘澤、4区に石橋安孝を入れて、5区に1年生の髙田凜太郎を配置。鬼塚は出雲1区を区間2位と快走しており、全日本でも先制パンチが期待できる。補欠登録の関を何区に起用するのかにも注目だ。

 伊勢路は出雲よりも距離が長くなるため、1年生の不安は大きくなるが、快走できればチームに勢いをもたらすことになる。ルーキーが大活躍すれば、青山学院大を相手に「アンカー勝負」まで持ち込むことができるかもしれない。

 いずれにしても、今回の全日本は「1区の攻防」が大きなポイントになる。青山学院大が横綱レースで初優勝に突き進むのか。それとも他大学が意地を見せるのか。スリリングなレース展開に期待したい。

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