【月報・青学陸上部】2つの寮のシビアな格差。強さの秘密がここに (4ページ目)
原監督が選手に激励の声をかける。
大学生の記録では14分10秒以内がトップレベルと言われており、いかにそのレベルの選手を揃えるかが駅伝に勝つために重要なキーとなっている。
4200mを越えると田村和、茂木、下田の3人が抜け出た。後続との距離が少し開き、誰もついてこない。トップ争いは完全に3人に絞られた。残り200m、田村和、茂木、下田とつづいた。そのままフィニッシュかと思った瞬間、茂木が得意のスピードを活かして田村和を差した。
「13分59秒5!」
14分を切るタイムでトップ。トラックでのスピードが持ち味な茂木が最後に本領を発揮した形だ。
田村和は、悔しさを爆発させた。
「いやぁー、ここから新たな勝ちパターンを生み出そうとして、残り1000mでバーンといったけど最後、茂木さん、マジで恐いっす」
茂木はニコニコしている。
御嶽合宿では全日本インカレに向けて2人で練習をこなしていた。先輩後輩だが冗談を言い合い、楽しそうに調整していた。大会では田村和が6位に入賞し、茂木は13位に終わったが、今回の結果でその悔しさを少しは晴らすことができたことだろう。
今回の学内TTの結果を見てみると、いくつかうれしい発見があった。キャプテンの安藤が5位(14分2秒6)で自分の走りを取り戻してきたこと。そして、御嶽合宿と妙高高原合宿ではそれほど目立たなかったが、富田が6位(14分3秒2)に入り、いい走りを見せてくれたことである。
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