【月報・青学陸上部】合宿終了。
駅伝メンバー入りのチーム内競争が激化 (4ページ目)
茂木亮介(4年)は言う。
「今日の姿だけ見ると、あれが箱根を走った秋山かと思うかもしれないですね。でも、走りがダメでドーンと落ち込んでいるのは当たり前といったらおかしいですけど、いつもあんな感じなんです。逆に急に良くなったりもする。昨年の箱根の時もそれまで全然良くなくて、直前になってガーンと調子が上がったんです。その状態で使うのかなぁって感じだったんですけど、監督の中で『箱根で使う』と決めていたみたいですね。調子が読みにくいけど、レースに出たら爆発力を発揮する。それが秋山なんですよ」
4年間、同じ釜のメシを食った仲間の性格や特徴を2年生以上、少なくとも4年生は全員理解している。だから、あえて声をかけたり、励ましたりせず、静かに見守っている。それが秋山の落ちた気持ちを救うことになると分かっているのだ。
一方、茂木にとってもこの合宿は非常に重要だった。御嶽合宿では田村和希と全日本インカレで結果を出すことを目標に調整していた。合宿はケガをすることもなく、無事に終え、自分なりに手応えも感じていた。
そうして9月3日、本番の日を迎えた。「全然蒸し暑くないですし、調子もいいので楽しみです」。レース前、茂木には余裕があった。
ところがレースは3000m過ぎにトップグループから離れはじめ、最終的には13位に終わった。順調に夏季合宿を終え、全日本インカレで結果を出し、監督の信頼を得て出雲、全日本、そして箱根へ。そういういい流れを作りたかったが、現実は甘くはなかった。
「全日本インカレは相当悔しかったです。自分の想像と全然違って、もっと走れる自信があったので......。前期は本当に順調にきていて、夏季合宿もよく走れたんです。ただ、そのせいか気持ち的にちょっとフワッとしたところがあって、もっと緊張感をもってやらないと、と思っていたんです。全日本インカレで物足りない結果が出てハッとしましたね。もっとやれることがあるんじゃないかって。そこで前向きに考えることができたので、あれ以来、練習ですごくいい取り組みができています」
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