【月報・青学陸上部】まずは出雲駅伝へ、選手たちのギアが上がった (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by AFLO

 茂木は、自信に満ちた表情でそう言った。田村和も「いい感じです」と自信を深めていた。

「(全日本インカレに)出るからには勝負に徹してタイムより成績重視です。御嶽合宿は倒れることもなくやれたので、全日本インカレが最初のピークぐらいの勢いでやりたいですし、そこで走れれば自信になります」

 レースへの意気込みを語る表情は、もう準備万端という感じだった。

 午後2時40分にリオ五輪男子400mリレーで銀メダルを獲得した桐生祥秀(東洋大)が出場した男子100m決勝が終わり、午後6時過ぎには競技場のメインスタンドは空席が目立ってきた。猛暑で有名な熊谷だが、日が暮れると日中の暑さもなくなり、思ったよりも涼しい風が吹いている。茂木も田村和も"熊谷の暑さ"を気にしていたが、このコンディションなら勝負できるだろう。

 午後6時55分、スタートラインに選手が並んだ。当初は37名のエントリーだったが関東2部インカレ10000mで優勝した中谷圭佑(駒沢大)ら10名が欠場。最終的に27名の出場になった。

 スタート直後から大きな固まりになってトラックを駆ける。一色は2、3番手につき、茂木と田村和は14、15番手の中間グループの中に入って様子をうかがう。

 大きな集団はなかなかバラけないが、残り2000mになると長い一列に変化してきた。あと4周、茂木が少し遅れ出し、長い一列の最後尾に落ちた。逆に田村和は9番手に順位を上げていった。

 田村和には余力があったという。

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