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メダルどころか惨敗の女子マラソン。
できることはなかったのか? (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 彼女たちの自己記録を見れば、フラナガンこそ2時間21分14秒だが、リンデンは2時間25分55秒で、クラッグは2時間27分03秒と日本選手より遅いくらいだ。本来なら日本勢が、アメリカ勢のようなレースを見せるべきだったし、できる力は持っていたはずだ。

 レース後、山下監督はこう話す。

「日本選手を見ると全体的には守りにいっているので、もう少し攻めることをしなければいけないと思います。まずは『暑くなれば日本に有利になる』という考えを変えるところからやらなければいけない。指導者や選手、医科学委員会の先生たちも含めて、よりタフな中でやってみることを考えるのも必要だと思う。選考会のあり方なども含めて、もう一度考え直していかなければいけないと思う」

 昨年の世界選手権も期待された選手が13位と14位に沈んだレースで、最後まで粘った伊藤が7位に入った。一応入賞という結果にはなったものの、それは決して成功とは言えないものだった。それでもその路線をそのまま踏襲して入賞を目標にしたことも、今回の惨敗の一因だろう。

 2020年東京五輪に向けて、新しい女子マラソン界の道を「見つけなければいけない」ということを、今回の結果を踏まえて今後意識する必要がある。

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